プロ野球における「与死球」の勲章と、歴代首位のレジェンド投手
プロ野球の歴史において、打者の胸元を果敢に攻めるピッチングは、一流投手の絶対条件とも言われます。その攻防の結果として生まれるのが「死球(デッドボール)」ですが、日本プロ野球の通算与死球ランキングで圧倒的なトップに君臨しているのが、西武ライオンズの黄金期を支えたエース、東尾修氏です。
東尾氏は現役生活で通算165個の与死球を記録しています。2位の渡辺秀武氏(144個)や3位の坂井勝二氏、米田哲也氏(143個)を引き離し、堂々の歴代1位となっています。この数字だけを見ると「制球力が悪かったのではないか」と思われがちですが、実態は真逆です。東尾氏は卓越したコントロールを誇る精密機械のような投手でした。
彼がこれほど多くの死球を記録した理由は、そのプレースタイルにあります。「喧嘩投法」とも呼ばれた東尾氏の武器は、打者の内角へ鋭くシュートを投げ込むことでした。死球を恐れずにバッターの懐を厳しく突く度胸と技術があったからこそ、打者は踏み込めず、結果として通算251勝という偉大な実績を積み上げることができたのです。つまり、彼の165個という与死球数は、単なるミスの証ではなく、打者と限界ギリギリの勝負を続けた果敢なエースの勲章と言えます。
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