エスカレーターの「片側空け」は本当にイギリス発祥だった?

「エスカレーターでは右に立ち、左を歩けるように空けよう」——日本では日常的に見られる光景ですが、実はこの習慣、そのルーツをたどるとイギリスに行きつきます。

1940年ごろのロンドン地下鉄がその発祥とされています。当時は第二次世界大戦中、輸送の効率が何よりも重視される時代。人の流れをスムーズにするため、「左側を歩いてください」というキャンペーンが展開されたのです。つまり、「片側空け」はもともと、混雑対策と効率優先の産物だったのです。

しかし興味深いのは、現在のイギリスではこうした動きが変わってきている点。ロンドン地下鉄では2010年代から、「エスカレーターでは両側で立ってください」と呼びかける動きがあり、理由は安全性と通行効率の再評価。特に事故防止のため、歩行を控えるよう促されています。

一方、日本では「左側に立つ、右側を空ける」が定着。東京や大阪などでは、それが一種の暗黙のルールとなっています。ただ最近では、関西の一部の駅で「両側立ち」の試みが始まっているなど、変化の兆しも見られます。

世界の都市と比べても、日本のエスカレーター文化はとても特徴的です。でもその背景には、戦時中のイギリスという意外な歴史が隠れていたのです。

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