フロスの起源はアメリカでした

私たちが日常的に使っている歯間フロス。その便利なアイテムが生まれたのは、実は19世紀のアメリカです。レヴィ・スピア・パームリーというアメリカ人の歯科医師が、当時まだ広く知られていなかった「歯と歯の間の清掃」の重要性にいち早く気づき、提唱したのが始まりです。

パームリーは、当時高級品だった「シルクの糸」を使って、歯の間の汚れを丁寧に取り除くことを推奨。これは、虫歯や歯周病の予防に大きく役立つとされ、次第に他の医師たちにも広まっていきました。彼の努力が、現代のフロスの基本を築いたのです。

興味深いことに、パームリーがフロスの使用を広め始めた頃、日本は江戸時代の末期。歯磨きといえば、楊枝や歯木(はぎ)を使う程度で、歯間ケアという発想はほとんどありませんでした。それに対してアメリカでは、すでに科学的な口腔ケアの考え方が芽生え始めていたのです。

その後、20世紀に入ると、シルクからナイロンへ素材が進化し、使い捨てのフロスが市販されるようになりました。手軽に使えるアイテムとして、今や世界中で愛用されています。

今、歯ブラシと一緒に手に取るフロスも、実は100年以上前のひとりの歯科医の発想から始まっていた——そんな歴史を思い浮かべながら使うと、ちょっと特別な気分になりますね。

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