ツタンカーメン王の謎めいた死因

古代エジプト第18王朝の若き王、ツタンカーメン。彼の死は長年にわたり謎に包まれてきたが、近年の研究でその原因が徐々に明らかになってきた。

2018年の調査結果によると、ツタンカーメンの死因は無血管性骨壊死(むけっせんせいこつきえし)と熱帯熱マラリアの併発が主な要因とされている。彼は若い頃から足の関節に深刻な問題を抱えており、歩行にはつえを必要としていたことが、墓から出土した多数のつえからも裏付けられている。

無血管性骨壊死とは、骨への血流が途絶えて骨組織が壊死する病気だ。ツタンカーメンの場合は、股関節にその症状が見られ、ひどい痛みを伴っていたと考えられる。さらに、遺体から熱帯熱マラリアの病原体の痕跡が検出されており、慢性的な感染が体力をじわじわと奪っていた可能性が高い。

当時の医療技術では、これらの病気に対処するのは極めて困難だった。若くして亡くなったのは、遺伝的な要因や不健康な環境も影響しているとみられている。

こうした科学的調査が、3000年以上前の王の人生と死に肉薄している。かつての「ファラオの呪い」といった怪奇説話ではなく、現実の病と苦しみを通して、ツタンカーメンという一人の青年の姿が浮かび上がってくる。

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