芙蓉に似た木、それはムクゲ
庭や公園で夏になると、大きな白やピンクの花が目を引く木を見かけることがあります。中には「これは芙蓉(フヨウ)?」と思うほど美しい花もありますが、実はそれ、見た目はそっくりでも違う種類の木かもしれません。
芙蓉とよく似た木として知られるのが「ムクゲ」。どちらもアオイ科フヨウ属に属し、花の形や色、開花時期がとても似ています。大きな杯のような花びら、中心から伸びる雄しべのつくり……一見すると見分けがつきにくいほどです。そのため、通りすがりに「ああ、芙蓉が咲いたな」と思っても、実はムクゲということもよくあります。ただ、見分けづらいからといって困ることはありません。どちらの木も夏の風物詩として親しまれ、日本の暑い季節に涼しげな彩りを添えてくれます。街路樹や庭園によく植えられているのも、その美しさゆえ。特にムクゲは、花が一日でしおれてしまう「一日花」ですが、次々と蕾が開くので長く楽しめます。
実は、昔から「芙蓉」という名前は、やや広い意味で使われることもあって、厳密な区別がない場合もあります。園芸店で「ムクゲ」として売られているものも、ラベルに「フヨウ」と表記されていることも……。植物の世界では、こうしたややこしい関係が意外と多いものです。
夏の散歩の際に、立ち止まってその花をじっくり見てみませんか? 白や淡いピンクの花が風にゆれる様子は、まさに初夏の訪れを感じさせてくれます。
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