日本一貧乏だった城持ち大名・苗木藩

江戸時代、大名と聞くと豪華な城や広大な領地を思い浮かべますが、実は極めて小さな藩もたくさんありました。その中でも特に「日本一貧乏な城持ち大名」といわれるのが、苗木藩です。

苗木藩は現在の岐阜県中津川市に位置し、江戸幕府の譜代大名として知られています。藩の石高はわずか1万石ほど。当時の基準では、10万石以上が大名として余裕のある暮らしを送れる規模とされる中、1万石はごくわずかな領地でした。

さらに、苗木城は山の上に建てられており、城自体は立派な構えでしたが、領内は山間に囲まれて農耕に適しておらず、財政は常に逼迫していました。城は持っていたものの、「城持ち大名」の中で最も小さい藩の一つとされ、日本最小の城持ち藩ともいわれます。

藩主の遠山氏は代々、節倹を重んじ、質素な暮らしを貫きました。そのため幕府からの信頼は厚く、将軍の直属に近い役職を任されることも多かったのですが、経済的には厳しい状況が続きました。

苗木藩の存在は、大名と一口に言っても、その暮らしは天と地ほどの差があったことを教えてくれます。豪華絢爛なイメージとは対照的に、山の上の小さな城でひっそりと務めを果たしていた大名の姿に、江戸時代のリアルな一面が見えてきます。

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