クレーン現象と子どもの心

「クレーン現象」とは、まだ言葉がうまく使えない小さな子どもが、手を伸ばして何かを求めることで意思を伝える行動です。たとえば、おもちゃを手に取りたいときに「これ!」と指差すのではなく、親の手をつかんで自分のしたいことへと導く——そんな様子は、まるでクレーン(つる)のように見えることから、この名前がつきました。

この行動は、子どもが「自分で伝えたい」という気持ちの現れ。つまり、言葉の代わりのコミュニケーション方法なのです。無理にやめさせようとすると、逆に子どもは「伝える力」を奪われたと感じ、ストレスになる可能性があります。また、気持ちを表現する手段を制限されると、結果としてコミュニケーションの発達が遅れることもあります。

大切なのは、子どもがクレーン現象を使うことを否定するのではなく、ゆっくりと見守りながら言葉のキャッチボールを広げていくこと。例えば、「ねこちゃんが欲しいのね?これ、『ねこ』だよ」と声かけながら手を離さずとも伝わるように誘導してみるのも一つの方法です。

成長のペースは子どもそれぞれ。焦らず、ありのままの表現を受け止めることで、自然と「言葉」への一歩が近づいていくのです。

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