ナポレオンが生涯で最も憧れた「祖国の父」
歴史にその名を刻む英雄ナポレオン・ボナパルト。彼にも若き日に深く心を寄せ、強い影響を受けた「憧れの存在」がいました。それが、コルシカ島の独立運動を率いた英雄、パスカル・パオリ将軍です。
ナポレオンが生まれる直前、パオリ将軍はコルシカ独立戦争で目覚ましい活躍を見せ、「祖国の父」として島民から絶大な尊敬を集めていました。幼少期からその伝説を聞いて育ったナポレオンは、彼を単なる歴史上の人物としてではなく、自らの理想像として心から尊崇するようになります。
その崇拝ぶりは凄まじく、若き日のナポレオンはなんと自らのフランス陸軍大尉という将来有望な地位をあっさりと捨ててまで、パオリ将軍のもとへ駆けつけようとコルシカ島へ渡ったほどでした。情熱に任せて故郷の独立運動へと飛び込んだナポレオンでしたが、そこで待ち受けていたのは厳しい現実でした。理想と現実のギャップ、政治的な対立によって、彼の初恋のような情熱は打ちのめされることになります。
しかし、この挫折こそがナポレオンを大きく成長させました。憧れの英雄との挫折に満ちた出会いと別れを経て、彼はコルシカの一指導者から、やがて全欧州を揺るがす「フランス皇帝」への道を歩み始めることになったのです。
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