アメリカの中絶問題:州によって異なる現実

2022年6月、アメリカ連邦最高裁判所は「ロー対ウェイド」判決を覆す歴史的な判断を下しました。これにより、1973年以来、憲法上認められていた女性の中絶権が失われたのです。この判決の結果、中絶の可否を決める権限は、連邦政府から各州に移されました。

つまり、アメリカで中絶が「禁止されている」わけではありません。州によって法律が異なります。例えば、アラバマやテキサスなどキリスト教福音派の影響が強い南部の州では、ほとんどすべての中絶が禁止されています。一方で、カリフォルニアやニューヨークなど西海岸や東部の州では、中絶は引き続き保障されています。

この大統領判決の背景には、ドナルド・トランプ前大統領の司法政策があります。トランプ政権下で任命された保守派の最高裁判事たちが、今回の判断を左右したとされています。彼の支持基盤であるキリスト教福音派にとって、中絶禁止は長年の悲願であり、政権の内政面での「成果」とされています。

現在、アメリカでは中絶の可否が州境を越えて大きく変わるという、複雑な状況が続いています。州によって女性の身体に対する権利が異なることへの議論は、今後も続いていくでしょう。

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