体力テストから懸垂が消えた理由

1999年、日本の小学校から高校までの体力テストが大きく見直されました。その改定により、斜め懸垂も通常の懸垂も、テスト項目から姿を消しました。その背景には、多くの子どもたちが「一度も上がれない」現状があったのです。

文部科学省の調査でも、特に中学生以上の男子で、懸垂が一回もできない生徒の割合が非常に高くなっていました。かつては「10回以上」できた時代もありましたが、時代とともに子どもの筋力、特に上半身の力が低下してきていることが明らかになっています。

専門家は、運動不足や屋内での生活時間の増加、遊び方の変化などを原因として指摘しています。昔のように木登りや鉄棒で遊ぶ機会が減り、自然と筋力を鍛える体験が少なくなっているのです。

そのため、テストとして「全員がゼロ回」という結果では意味がないと判断され、「達成できない項目」はむしろモチベーションを下げるとして外されたと考えられます。代わりに、持久走や反復横跳びなど、全員がある程度取り組める種目が重視されるようになりました。

最近では、学校の体育の授業で再び懸垂に注目する動きもありますが、依然として苦手とする子どもは多いです。体力テストから消えた懸垂ですが、その存在の重さは今も変わらないでしょう。

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