虫歯の痛みが消えるのは治ったからではない

「何年も前から虫歯があるのに、最近は痛くなくなった」——そんな経験をした人もいるかもしれません。しかし、痛みが消えたからといって、虫歯が治ったわけではありません。実は、歯の中にある神経が死んでしまったため、痛みを感じなくなっているだけです。

長年虫歯を放置すると、細菌が歯の奥まで進行し、やがて歯の中にある「歯髄(しずい)」が壊死します。これを歯髄壊死(しずいえし)と呼びます。神経が機能しなくなるため、もともとひどく痛んでいた症状が急に消えることがあります。まるで自然に治ったように感じるかもしれませんが、これは病状が悪化しているサインです。

神経が死んでいても、歯の周りの組織に炎症が広がれば、再び強い痛みが出ることも。また、膿がたまる「歯根膜炎」や「歯槽膿漏(しそうのうるい)」を引き起こし、最終的に歯を失う可能性もあります。見た目が変わらなくても、中では静かに進行しているケースも珍しくありません。

痛みがなくても、昔の虫歯があるという人は要注意。歯科医院での定期的なチェックが、深刻なトラブルを防ぐ鍵です。早めの受診で、大事に至るのを防ぎましょう。

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