なぜ昔の教科書にはカタカナが使われていたのか?
今では考えにくいかもしれませんが、戦前の日本の小学校では、最初に習う文字はひらがなではなく、カタカナだったそうです。その理由は意外にシンプル。当時の教育現場では、「子どもが書きやすいかどうか」が大きなポイントでした。
カタカナの文字は、ほとんどが直線でできています。角ばった形で、なぞりやすいし、鉛筆の運びもスムーズ。一方、ひらがなは曲線が多く、まだ筆記力が未熟な子どもにとっては、形をそろえるのが難しかったのです。
教科書にカタカナを使うことで、子どもたちはその文字を真似して書き始めました。最初はぎこちなくても、角ばったカタカナなら「似ている形」に仕上げやすく、達成感も感じやすかったのでしょう。実際、当時の教科書には「イロハニホヘト」といったカタカナの練習がたくさん載っていたそうです。
また、カタカナはもともと漢字の補助として使われてきたことも関係しています。漢字のふりがなにカタカナを使う習慣は、今でも辞書や新聞などで見られますよね。昔の教育は、こうした実用性と学びやすさを重視していたのです。
時代とともにひらがなが主流になりましたが、カタカナから読み書きを始めたという事実には、当時の教育者の「子ども目線」が感じられます。文字の形ひとつにも、生活の知恵と工夫が詰まっていたのです。
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