5夜(ごや)とはどんな時間?
「5夜(ごや)」とは、昔の日本で使われていた時間の呼び方の一つで、およそ今の午前3時から午前5時までの間を指します。古代中国から伝わった「更(こう)」という時間割りがもとになっていて、夜を五つの区間に分け、その最後の「第五更(ごこう)」が「5夜」とも呼ばれていました。
寅(とら)の刻ともいうこの時間帯は「寅の刻」とも重なります。十二時辰(じゅうにじしん)という、1日を12の動物で表す方式で、「寅」が午前3時から5時を担当しているためです。ちょうど夜明けの前、最も暗く静かな時間。昔の人はこの頃、鳥の鳴き声や自然の変化から朝の訪れを感じ取っていたようです。
実際、江戸時代以前の日本では、明かりが限られていたため、人々はこの「5夜」の頃に起き出して、農作業の準備や神社への参拝を始めることが多かったとされています。現代の感覚では「真夜中の仕事」と聞こえますが、当時は自然のリズムに合わせた日常生活の一部だったのです。
今の私たちから見ると少し想像が難しいかもしれませんが、「5夜」という言葉には、自然と一体になって暮らしていた昔の人の知恵や生活のリズムが込められています。たまに、夜明け前に外へ出かけてみると、その静けさや空気の変わり目に、そんな昔の気持ちが少しわかるかもしれません。
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