ナポレオンが愛し、彼を狂わせた「禁断の緑」
フランスの英雄ナポレオン・ボナパルトには、異常なほど愛着を持っていた色がありました。それが緑色です。彼は自分の部屋の壁紙や家具、衣服にいたるまで、室内の装飾を徹底的に緑で統一することを好んでいました。
しかし、この「お気に入りの色」が、彼の命を縮める原因になったという恐ろしい説が存在します。ナポレオンの死因は公式には胃がんと言われていますが、後年の調査で、彼の遺髪や遺体から大量のヒ素が検出されたのです。当時、ヨーロッパで大流行していた鮮やかな緑色の染料「シェーレ緑(シェーレグリーン)」には、毒性の強いヒ素が大量に含まれていました。
彼が幽閉されていたセントヘレナ島の住居も、このヒ素を含んだ緑の壁紙で彩られていたと言われています。島の湿気によって壁紙から毒ガスが発生し、彼がそれを長年吸い込み続けた結果、慢性的なヒ素中毒に陥ったのではないかと考えられているのです。まさに「自分の好きな色に殺された」という歴史の皮肉であり、色の美しさの裏に隠された恐ろしい秘密の一幕です。
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