深い傷はどのようにして治る?

ケガをして深く皮膚がえぐれてしまうと、ただ時間が経つのを待つだけでなく、体の中では複雑で驚くほど精密な修復プロセスが進みます。深い傷は、表皮だけでなく、その下にある真皮まで損傷しているため、自然に治るまでに時間がかかり、跡が残ることもあります。

傷ができるとまず、体は出血を止めるためにかさぶたを作ります。その後、治癒の重要な役割を担う線維芽細胞が活動を始めます。この細胞は、コラーゲンというたんぱく質を産生し、欠けた真皮組織を補っていくのです。これが傷の土台づくりのようなもので、とても大切です。

さらに、傷の表面を赤みを帯びた柔らかい組織が少しずつ覆っていきます。これを肉芽組織といい、新しい血管や細胞が集まってできたものです。この肉芽組織をめがけて、周囲の表皮から細胞がゆっくりと移動し、増殖していきます。まるで「橋をかける」ようにして、傷の隙間を埋めていくのです。

やがて肉芽組織は縮まり、かさぶたが自然に剥がれ落ちます。この一連の流れが終わると、傷はふさがりますが、深い場合は完全に元通りになるわけではなく、多少の痕(はれ)が残ることもあります。無理にかさぶたをはがさず、清潔に保つことが、きれいな治り方への近道です。

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