「水を向ける」とは?意味と使い方
「水を向ける」という言葉を耳にしたことがありますか?一見、何のことか分かりにくいですが、実は意味が二つあります。
もともとの意味は、霊を呼ぶ儀式に関係しています。とくに神社の巫女(みこ)が、亡くなった人の霊魂を呼び寄せる「口寄せ」という儀式の際に、水を手向けることから来ています。この水は、霊を迎え入れるための清めの意味を持ちます。つまり、ここでの「水を向ける」は、文字通り水を捧げる行為を指します。しかし、現代ではもっぱら比喩的な使い方が多く見られます。たとえば、「彼にそっと水を向けて、思い出話を語りはじめさせた」といった使い方です。ここでの「水を向ける」は、「相手の関心を向ける」「話しやすい雰囲気づくりをして話題を振る」というニュアンスです。相手の心を開かせるような、さりげない働きかけを表しています。
このように、「水を向ける」は古くは宗教的な儀式の言葉でしたが、今では人間関係のさりげない配慮を表す美しい表現として使われています。日常会話ではあまり頻繁に使われませんが、文学やドラマなどで出会うと、その奥ゆかしさに気づかされます。
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